「セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門」より抜粋。
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- すべてのものが URI で識別可能
- ネットワーク上のリソースばかりでなく、人間、場所、事象も URI を通してウェブ上で識別されます。 URI という分散型の識別メカニズムを用いることで、誰もがセマンティック・ウェブに参加し、様々な情報を効率的に統合し、意味を明瞭に示すことが可能になります。
- 部分的な情報 Partial Information
- セマンティック・ウェブは完全な情報を前提とした閉じた世界を扱う学問ではなく、部分的な情報しか知りえない実世界を対象にし、そこから有益な結論を引き出すことを目指しています。情報は、いつ誰がどこで記述してもよく、同じリソースに関する矛盾する情報が存在するかも知れません。「すべてを知っている人はいない」のです。誰もがどんなことについて何でもいえる(Anyone can say anything about anything)というキャッチフレーズは、セマンティック・ウェブが自由で拘束がなく、小さな情報を断片的に発信できるということと同時に、不完全な情報を前提とし、それを生かすことの重要性を示しています。
- 発展性 Evolution
- 分散型のウェブでは、さまざまなコミュニティや個人が、独自に情報を発信したり、知識の体系を整えたりします。同じ分野の情報が、異なる方法で記述されることもあるでしょう。これらの情報を統合したり、新しい知識を加える時に、古いものを犠牲にしなくてもうまく融合できること、別々のコミュニティどうしが同一性や矛盾をきちんとチェックできることは、このような分散型の世界が自立的に発展していくために欠かせない要件です。
- 最小のデザイン Mimimalist Design
- セマンティック・ウェブでは、できるだけ制約を課さない、必要以上の標準化を求めない、シンプルなものはシンプルなままに、複雑なものは実現できるように解きほぐして(モジュール化して)、という方針で仕様を設計します。こうすることで、個別仕様の実装が容易になり、またそれに基づいた応用を柔軟に考える事が可能になります。
- 信頼のウェブ Web of Trust
- ウェブにはいろいろな情報があり、そのコンテクストや信頼度はさまざまです。自分が良く知っているところからだけ情報を集めれば安心ですが、それではグローバルなセマンティック・ウェブの力を生かせません。セマンティック・ウェブでは、存在する情報すべてが信頼できると保証するのではなく、アプリケーションがコンテクストから信頼度を評価するために必要な仕組みを考えていきます。
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